ニーガードからの進化、ライディングパンツとの付き合い方

ライディングパンツとバイク 装備と付き合った話

ふりかえり

バイクに乗るとき、装備はいつも悩ましい。
走るには安全性が必要で、でもそれが快適さを奪うとしたら、何を取るか。

以前の僕は、ニーガード派だった。
コミネ、RSタイチ……軽くて、薄くて、スマートなものもある。
安全性を取ったようなガチっぽいのはツーリングに合ってたし、隠して装着できるものは見た目を損なわないから街乗りにも便利だった。

でも、どうしても残る。「着けている感覚」が。

走っているときは忘れている。でも、信号待ちでふと膝に意識が戻る。
「ああ、やっぱり着けてるんだな」「なんだかズレている気がする」と。
それが続くと、だんだん装備に“乗せられている”ような気がしてきた。

ライディングパンツという選択肢

プロテクターがパンツに入っている。
当時は選択肢が多くないから、お値段するから、見た目が”いかにも”になるからと敬遠してた。
だけど、初めて足を通したときに心のどこかで思った。

「これ、もっと早く選んでもよかったかもしれない。」

もちろん、いきなり完璧を求めたわけじゃない。
ニーガードにはニーガードの良さがあったし、脱げば普通のパンツになる。
でも、ライディングパンツは違った。

履くだけで済む。
ズレもない。付け外しもいらない。
何より、「もう何も気にしなくていい」という感覚があった。

僕の選択:2本のパンツとその使い分け

HYOD COVEC BIKERS ZIP VENT(HYD-204D)

しっかりした生地、頑丈な縫製。
すっ転んでパンツがボロボロになり、一発で一万円以上のパンツが廃棄処分になってしまったことがあるので、耐久性が必要だと感じていた僕には、ぴったりの一本だった。

当時、同じ素材でベンチレーションがないモデルもあったけど、暑がりだから通気を選んだ。
正解だったと思う。少なくとも、走っている最中は。

ただ、押し歩きのときファスナーのスライダーが少しバイクに当たる気がする。
たまたまかもしれない。でも、バイクに小さなキズが見えると、
「もしかして……」と思ってしまう自分がいる。

使いどき:春・秋。街乗り~ロングツーリング。冬は街だけ。

高速道路に出ると太ももが一気に冷える。
タイツを履いても防風性はないので、レインスーツの下を重ねることもある。
もしくは防風性、保温性のあるパンツにステルスニーガードを履く。

でもこのズボンの良さは、「履いてる安心感」に尽きる。


RSタイチ クイックドライ カーゴパンツ(RSY258)

選びに選んだ、春夏秋向けの一本。
ナップス幸浦店で何本も試着した末、これに落ち着いた。

撥水性、通気性、ストレッチ性、内装メッシュ、腰プロテクターも着脱可。
スペックは申し分なし。
最後の決め手は、やっぱり「見た目」。
履いてみて、シルエットがかっこよかった。

使いどき:春~夏~秋。真夏もこの一本。

ただし、「快適」ではない。
真夏にバイクに乗るということ自体が、そもそも快適じゃない。

太陽から熱、下からエンジンとアスファルト。
どんなに通気がよくても、「熱い」ものは熱い。
よっぽど断熱の方が重要なのではと思うほど。

それでも、走っている最中はマシだ。
通気性はしっかりあるし、汗も乾く。
停まると蒸れるが、それはもう「仕方ない」の範囲だと思ってる。


夏の暑さと装備のせめぎ合い

真夏のバイクは体にくる。
20代の頃は体力があったから、もうちょっと頑張ろうができた。
数時間フルプロテクトで走って、コンビニ寄って、また走る。そんな繰り返し。
それが楽しいとさえ思った。

今は無理をしない。

タイツは接触冷感・速乾のものを選んでいる。
ズボンと違って気軽に洗えるし、汗を効率よく気化させてくれる。
それだけでも、走りながら得られる快適さは変わる。

上半身も同様にインナーを工夫。
休憩も意識的にとる。一時間に一度は止まって、水分を取り、飴をひとつ口に入れる。
冷房があれば、迷わず使う。
無理はしない。
長く乗り続けるためには、それが大事だと思う。

装備を選ぶということ

装備を選ぶって、結局は「何を我慢して、何を守るか」なんだと思う。

たとえば暑さを我慢するかわりに、安全性を取る。
快適さを捨てずに安全性もほしいなら、それを両立できる装備を探す。
そのときの自分にとって「バランスがいい」と思えるものを。

そして、装備を「気にしなくていい」という状態が、実は一番快適なんじゃないかと最近思う。
履き心地のいいズボンも、快適な通気も、結局は「意識せずに済む」ことが目的なんだ。

最後に:バイクと、自分と、装備との対話

HYODとRSタイチの2本は、今の僕の“正解”。
気温や距離、天気に応じて選んでいるし、それでほぼ不満はない。
昔より装備に詳しくなったわけじゃないけど、
昔より「自分に合うもの」は分かるようになった気がする。

装備に悩む人がいたら、まずは試着してみてほしい。
そして、「着けていることを忘れられる」装備に出会えたら、それがきっと正解。

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